戦略的に「YES」を取りに行くコミュニケーション術

目次

1. はじめに

上司とのコミュニケーションにおいて、単に指示を待つのではなく、自らの考えを持ち、上司の判断を引き出す形で提案を通す力は、組織における信頼構築とキャリア成長の鍵となります。本ドキュメントでは、「YESを取りに行く」という戦略的なコミュニケーションの考え方と実践方法を解説します。


2. 「YESを取りに行く」とは

「YESを取りに行く」とは、自分の描く未来や提案を、上司の判断と整合させる形で承認に導く戦略的なふるまいを指します。これは単なる迎合や「YESマン」的態度ではなく、以下のような姿勢を含みます:

  • 自分の意見やビジョンを明確に持つ
  • 上司の判断基準や優先事項を理解する
  • 提案の仕方を工夫し、却下されない形で提示する
  • 上司に「自分が決めた」と思わせる配慮をする

3. よくある誤解

誤解実際の意味
上司に逆らわないこと意見を持たないことではなく、意見を通すための工夫
YESマンになること自分の考えを持たずに従うことではない
操作的・不誠実な態度むしろ誠実に上司の立場を理解し、信頼を得る行動

4. 戦略的コミュニケーションの技術

  • 上司の判断基準を理解する
    過去の意思決定や価値観を観察し、何を重視しているかを把握する。
  • 提案に根拠と目的を持たせる
    「なぜそれが必要か」「どんな成果が期待できるか」を明確に伝える。
  • 選択肢を提示し、推奨案を示す
    単なる一案ではなく、比較の中で最適解を導く。
  • フィードバックを歓迎しつつ、方向性を誘導する
    「ご意見をいただきたいのですが、私としてはこの方向が最適と考えています」といった言い回し。
  • 上司に決定権を持たせる
    「ご判断を仰ぎたいです」と締めくくることで、責任の所在を明確にしつつ、納得感を高める。

5. 組織にもたらすメリット

  • 意思決定のスピードと質が向上する
  • 上司の信頼を得て、権限委譲が進む
  • 部下の主体性とリーダーシップが育つ
  • 組織全体に戦略的思考と責任感が根付く

6. 実践例

例1:業務改善提案

「現在のプロセスにボトルネックがあると感じています。そこで、〇〇のような改善案を考えました。これにより納期短縮が見込めますが、リスクがあればご指摘いただけますか?」

例2:予算案の提示

「A案とB案を比較検討しましたが、A案の方が御社の中期戦略に合致すると考えています。ご判断いただく際の材料として、比較表もご用意しました。」


7. おわりに

「YESを取りに行く」という行動は、自律性・共感力・組織理解を兼ね備えた高度なビジネススキルです。この姿勢を身につけることで、上司との信頼関係を築きながら、自らの提案を実現し、組織に貢献することができます。

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この記事を書いた人

金重総合研究所の主席研究員。
子供の頃から研究者を目指し、ライフワークとして日々様々な研究をしています。
経営・マネジメント・金融・DXあたりが本職です。
私を採用したい人、私と一緒に働きたい人、一緒に知識を肥やしていきたい人はぜひお声がけ下さい。

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