今後急速な円高になる可能性あり【2024年5月5日の為替雑感】

目次

介入の噂

4月29日に1ドル160円をマークしました。その後日銀・財務省が介入したのではないかとの噂が広まりました。あくまでも噂で、当局は介入を認めていません。

以前に日銀と政府(財務省)の違いについて書いた通りですが、今回は日銀の介入はないと思います。介入したとすれば財務省でしょう。

日米当局間で合意があったか?

財務省の介入にあたり麻生太郎自民党副総裁(元財務大臣)が動いたのではないかと私は見ています。4月24日に麻生氏はトランプ氏と会談しました。それもメディアに目立つように。

日本の政治家がもしトラを見越して会談するというのはあまり考えられないです。バイデン政権が終わったと見限ったのであれば話は別ですが・・・。

私の推測では麻生氏がトランプ氏と会談するというパフォーマンスでメディアの関心を引き付けておき、水面下でアメリカ政府との交渉(財源の合意)があったのではないかと見ています。

この点は明かされることはないと思いますが、今回財務省が介入したとしてアメリカ側から批判の声が上がっていないのはそういう背景があるからだと考えています。

予兆の可能性

さて、為替介入の噂が流れた直後、ブルームバーグはみずほと野村の損失について報じています。

国内はGWでほとんどこの件について報じていない様に感じています。
ですが、リーマンショックとは言わないものの、ブラックスワンの到来を予感しています。

日米の金利差については皆さんもご存知だと思いますが、アメリカはインフレ対策として利上げをしてきました。対して日本は日銀の黒田総裁時代から植田総裁の現在に於いてもマイナス金利・ゼロ金利です。植田総裁に変わり政策が修正されていますが、金利を上げる準備は着実に進んできている様に思います。(ですが、まだ上げていないのも事実です。)

この日米の金利差があるために、アメリカの機関投資家の一部は円で資金調達をし、ドルに変えてから運用している投資家がいます。具体的にどのくらいの規模なのか明かされることはないですが、大量に円を売ってきた(円安の圧力をかけていた)ことが推測されます。

ここに次のブラックスワンが潜んでいるのではないかと感じています。何かリスクを感じてこの一連の取引を巻き戻すときに、今度は大量に円を買うか、先のブルームバーグの報道のように日本の資金提供企業が大きな損失を被るかどちらかが起きます。円を大量に買う動きがあればそれはすなわち円高の圧力になります。

そのため、この日米金利差が埋まらない限り、急速な円高に振れるリスクがずっと続きます。

この兆候として為替相場と米10年債金利の相関が崩れてきています。

90日間(2023/12/29->5/3)の相関係数:0.92995
30日間(2024/3/22->5/3)の相関係数:0.87473

長らく相関が強かったですが、足元では相関が崩れてきています。

大きな巻き戻し(=円高および日経平均の下落)に備えたほうが良いかもしれません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

金重総合研究所の主席研究員。
子供の頃から研究者を目指し、ライフワークとして日々様々な研究をしています。
経営・マネジメント・金融・DXあたりが本職です。
私を採用したい人、私と一緒に働きたい人、一緒に知識を肥やしていきたい人はぜひお声がけ下さい。

コメント

コメントする

目次