資産運用の基本的な考え方

たまに「株とかやるんですか?」と聞かれることがあります。「お小遣い程度の額ですが」と答えることが多いです。

メディアなどでは株が儲かるものという印象操作が多いように感じますが、一方で『怖いもの』という感覚もあるのではないでしょうか?

まず大前提ですが、株で儲けようと思ってはいけません。

株の世界で本職で働いている人たちの中にはファンドマネージャーたちがいます。彼らは相当金融市場について勉強している人たちなわけです。投資のプロ中のプロです。そんな人たちと、素人が同じフィールドで戦って、勝てるとお思いですか?まずはその現実を理解しなければなりません。

これがFXの場合は特に顕著です。FXは純粋に通貨の交換だけですので、市場の成長という概念はありません。その時々でパイの奪い合いをしているだけです。ごく一部の勝てる人と、大多数の負けている人で成り立っています。絶対に素人が手を出してはいけない世界です。もちろん、パチンコで負けることを厭わないタイプなのであれば、手を出すのもよいと思います。

FIREを目指いしている人の中には、可能な限り投資につぎ込むという発想をしている人もいると思いいます。ですが、プロと戦うわけですので、基本的には余裕資産を運用するのが最適解です。失敗しても痛くない程度の金額で運用しましょう。

では、どのような商品で運用するのがよいかですが、結論としては可能な限り分散するのが良いです。これは博打を避け着実に利益を上げていくために必要な基本的な考え方です。そして、個別銘柄の上げ下げに一喜一憂してはいけません。きわめてロジカルに、無感情で、全体のバランスで戦っていく必要があります。

みなさんは日本最大の投資グループをご存じですか?GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)という組織です。23年末で運用資産は224兆円です。日本の国家予算(23年度は114兆円)の倍ほどの規模です。そんなGPIFは22年末から23年末に対して年利20%の成績を出しています。とんでもない成功例ですね。おかげで昨今は全く年金に対する不安のニュースがなくなりました。

そんなGPIFと同じ戦略が取れたらどんなにいいだろうか、と思いませんか?GPIIFは投資戦略を公開しています。ですので、我々も真似をすればよいだけです。

GPIFの戦略をかみ砕いて説明するとシーソーです。例えば国内資産と国外資産を50%ずつ保有します。定期的にバランスをチェックして、増えている方から減っている方に配分をリバランスさせます。これの繰り返しなんです。

何が起きるのかというと、増えている=価格が上がっているという状態なので、売って利益を確定します。減っている=価格が下がっている=お買い得という状態なので、売ったお金で買い増します。バランスが逆転したら、また増えている方から減っている方へリバランスします。

この考えをポートフォリオ理論といいます。

この考え方をベースにあらゆるシーソーを作っていきます。先の国内対国外もそうですね。先進国と途上国もシーソーになります。現物と株式もシーソーです。現物の中には、現金や金、穀物、原油、ガス、不動産なども含まれます。株式とのシーソーにおいては、債券(国債)もあります。

自己資金が少ないうちは、これらのシーソーを作るのに、単元未満株とETFを利用すると小さく分散できて良いです。

国内株式で何を選ぶかについては、様々な株式投資本がでていますので、ご自身に合った方法を選ぶのが良いですね。我々の場合は投資にあまり時間を割きたくないという理由でダウの犬理論を東証に当てはめて、かつPBRの割安株に限定して運用しているという状況です。もし皆さんの関心があるようなら別の機会にもう少しお話させていただきます。

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この記事を書いた人

金重総合研究所の主席研究員。
子供の頃から研究者を目指し、ライフワークとして日々様々な研究をしています。
経営・マネジメント・金融・DXあたりが本職です。
私を採用したい人、私と一緒に働きたい人、一緒に知識を肥やしていきたい人はぜひお声がけ下さい。

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